MoonStar

Vol.6 手嶋美加さん
(自家製紅茶屋やまどり)
POST:21.11.12.Fri

お茶農家に嫁ぎ、旦那様と家族のみなさんで緑茶と紅茶を作っている手嶋さん。杵築市で 一度途絶えていた紅茶の生産を旦那様と共に復活させ、現在は「自家製紅茶屋やまどり」 として対面販売にこだわり販売を続けています。様々なイベントを開催したりキッチンカ ーで県内を巡ったり。お茶そのものだけではなく、積極的に体験を届けています。そこに は永続的にお茶を愛してもらいたいという想いが込められていました。

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◇日常にお茶のある風景を

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大阪で生まれ育ち、お茶にはあまり馴染みが無く育ったという手嶋さん。旦那様にお茶の 淹れ方を教えてもらいながら手嶋さんが感じたのが、誰かのために淹れたお茶の美味しさ と、そこに流れる和やかな時間の尊さ。そのとき、消費するモノとしての「お茶」の認識 がガラッと変わりました。 「お茶のある時間、お茶を誰かのために淹れる時間、自分のためだけに淹れてもらう喜び、 そういったものの魅力を全部ひっくるめて伝えていきたい。」 その考えのもと、イベントを開催し、キッチンカーで県内を巡っています。そこで振舞う お茶は作り置きではなく、時間をかけてでもすべてその場で淹れられたもの。それは体験 に重きを置いているからこそ。手嶋さんは、モノとしてのお茶ではなく、取り巻くコトが 積み重なることで誰かにとっての日常になってくれれば、と語ります。

◇和やかな時で刻むお茶の魅力

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イベントの一つに、春のお茶会があります。地元のカフェの庭を借りて定期的に行ってい るというそのイベントは、いつも大盛況なのだと言います。「お茶の体験会」と聞くとお茶 の淹れ方講座のようなものを想像してしまいますが、堅苦しいものではなく、あくまでも 「お茶を楽しむ会」なのだそう。お客様自身で好みのブレンドが作れたり、紅茶に合うお 菓子や絵本を一緒に楽しめたり。お茶だけではなくお茶を通した体験ができるように企画 されています。

「淹れ方は人のお好みやお茶によっても様々で、絶対にこれじゃなきゃいけないってもの は無いのではないかと思います。難しい作法でハードルが高い物と思われるよりも、純粋 にお茶を楽しんでほしいなって。」 そんな想いもあって、お茶会にはやまどりのファンの方だけでなく、地元の人々が気軽に 訪れてくれるのだとか。 「例えば主婦の方とかは、自分だけの時間があまり取れない方も多いと思います。そんな 方にこそ、誰かが目の前で自分のために淹れたお茶を飲んでもらいたいです。コミュニケ ーション含め、そうして自分のためだけに淹れてもらえることって、特別な経験として刻 まれるものだと思うんですよね。」 まずは気軽に「お茶」を通した体験に触れてもらうことで、日常の中にある元気の素にし てくれたら、と言う手嶋さん。

◇愛着を持って、永く、特別な存在に

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手嶋さんが作る紅茶にブレンドされている材料は、県内産のものに限定されています。そ れは同じ土地・同じ水で育ったものは喧嘩しない、という考えから。だからこそ、まずは 地元の人々に親しんでもらい、口コミなどでじわじわと県外の方にも知ってもらうのが理 想なのだと言います。瞬間的な流行りで消費されていくのではなく、生活に根ざしたもの として永続的に愛されていくことで、お茶のある時間やお茶畑のある風景を残していきた いのだとか。

手嶋さんが対面で届けるのは、お茶と、お茶を飲みながら交わす会話や自分のために丁寧 に淹れてくれている姿、それらの体験。ほっと優しいそのひとときが少しずつ刻まれてい くことで、心の深い部分から愛着が芽生え、未来へと繋がっていきます。

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