MoonStar

Vol.2 野尻知美さん
(ハラペコラボ/代表)
POST:21.03.12.Fri

大量生産でつくられるものと、手作業で生み出されるもの。どちらもそれぞれの役割があって、それぞれの良さがあります。

今回はアートなフードを生み出すクリエイティブ集団・ハラペコラボの代表、野尻さんにお話を伺ってみました。

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◇モノだけではなくストーリーを届けたい

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取材にお伺いしたのは、ハラペコラボのミュージアムショップ&カフェ。

ハラペコラボの代表的な商品であるこうぶつヲカシを思わせる、不揃いなカタチの窓や特注の机のある空間には、野尻さんとスタッフ全員のある想いが詰まっていました。

全国にファンがいるハラペコラボ。ECサイトでの販売がメインとなっている中で、野尻さんは「象徴」をつくりたかったのだと語ります。

「教会や美術館のような、『来てみたい!』と思ってもらえる代表的な空間をつくりたかったんです。遠方の方はなかなか来づらいかもしれないけれど、だからこそモノだけではない、ストーリーを提供することを大切にしました」

商品をただ届けるだけではなく、その先にある「体験」や「想い」を贈る。

たくさんのこだわりと時間をかけてつくられたその空間から、野尻さんの信念が伝わってきました。

 

◇時間をかけてつくられた、我が子のようなヲカシたち

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たくさんある作品の中でもとくに目を引かれたのが、鉱物を模してつくられた琥珀糖・こうぶつヲカシ。淡い色合いで様々なカタチのこうぶつたちが重厚感かつ高級感あふれる箱に収められている姿は、単に「お菓子」という言葉では片づけられないほどの存在感がありました。なんとこのこうぶつヲカシ、一つひとつが職人の手作業によってつくられているのだとか。

長いものでは一個あたり15分ほどの時間をかけて削り出されるとのことですが、機械化は一切考えていないのだと言います。

「手作業ならではの想いの込め方として大切にしているのが、『清い心であれ』ということです。この作品をつくる時間は、ただひたすらに『美しいもの』をつくるための時間。スタッフにも、一つひとつのこうぶつと真剣に向き合っていいんだよって、いつも言っています。」

手間のかかる手作業だからこそ、その時間で作品に与えることのできる愛情は深く、その一つひとつが我が子のように可愛いのだと微笑む野尻さん。

 

◇自分の手で育てた「愛情」を、誰かのもとへ

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最初は少なかったこうぶつヲカシのInstagramフォロワーも、現在は5万人を超えています。購入してくれる人も増え、たくさんの人に届けられることを嬉しく思う一方で、一つひとつの作品にかける愛情が分散してしまうのではないか、と心配だったという野尻さん。でも実際は、その逆だったそう。

「こうぶつヲカシを一緒に愛でてくれる仲間が増えたことで、愛情がもっともっと増しました。美しいものを求めてくれていることが純粋に嬉しくて、今でも一つひとつお嫁に出すような気持ちでお客様のもとへ送っています。『母の日に贈った』『恋人の誕生日に贈った』などのエピソードや感謝のことばを頂くたびに、作品と共に想いが届いていることを実感し嬉しく思います。」

 

野尻さんたちが手間ひまをかけて育てた愛情は誰かのもとへ届き、誰かの「時間」となる。そしてその時間を通して、また愛情が生まれる......。この「体験」こそが、ひとつの大きな価値になるのではないでしょうか。

 

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